2016年06月11日

ヘイトスピーチ解消法成立・声明文

星川まり(東京/社会運動部)です。

6月5日川崎市で行われた「第三回川崎浄化デモ」と、
それに対する市民の阻止行動については、
メディアでも多くとりあげられご存知かと思います。

この件に関して緑の党神奈川県本部で声明を出しましたので、共有します。


<ヘイトスピーチ解消法成立・声明文>


 ヘイトスピーチ解消法が5月24日に成立、6月3日に施行されました。
 ヘイトスピーチを、日本以外の出身者や子孫に対し、「差別意識を助長、誘発する目的で公然と生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加える旨を告知し、著しく侮辱するなど、地域社会から排除する不当な差別的言動」と定義し、こうした言動は「許されないことを宣言」しています。
 日本政府は、20年前に人種差別撤廃条約を批准しました。国が差別をつくり促進してきた歴史の反省のもと差別撤廃に法的責任をもつべきと国際的に確認したのがこの条約です。しかし、日本政府はこれまで「新法をつくるほどの人種差別もヘイトスピーチも認識していない」と言い続け、「中立」を装い、ヘイト側を「表現の自由」として守ってきました。

 解消法を審議していた国会の法務委員会で「現行法で対応できる」としていた自民党議員の態度を変えたのは、川崎市南部にある在日コリアン集住地域の桜本の人たちでした。桜本では40余年にわたって「共生」と「人権」の文化をつくりあげてきました。桜本にあるふれあい館職員の崔江以子さんが参議院法務委員会で参考人として陳述。その後法務委員ら10人が桜本を訪問し、ハルモニや子どもたちの声を直接聞いて実態を知ったのです。
 川崎では2013年から10回に及ぶヘイトデモが川崎駅周辺で行われていましたが、昨年11月に、桜本へのデモを宣告。住民と市民300人が抗議に集結。居住地でのデモを許しませんでした。「死ね」「殺せ」「半島へ帰れ」「ゴキブリ朝鮮人は出ていけ」「1人残らず日本から出ていくまでは、じわじわ真綿で首を絞めてやるからよ」などの言葉を聞き、抗議した男性に暴行したのを見て、ハルモニや子どもたちは大きな衝撃を受けました。市民たちが結成した「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」(NW)の集会で、中学1年生の中根寧生君は「なぜ仲良く暮らせないのか」と涙をながしました。
 今年の1月31日、再び桜本へのヘイトデモが強行されました。1000人の市民が沿道を埋め、桜本への道路の入り口で座り込み、地域の中へは入れませんでした。
 5月12日、NWは「ヘイトスピーチ根絶」の署名31553筆を川崎市長に手渡し。
 5月15日、ヘイト団体が6月5日のデモを告知。NWは「デモを事前に阻止」するためあらゆる方面に働きかけをはじめました。
 5月24日、ヘイト解消法が成立。
 5月30日、川崎市議団が川崎市に強い対応を求める要請書を全会一致で提出。
posted by だつげんぱつ at 18:21| 脱原発情報[情報]