2015年09月20日

【代表声明】安保法案「成立」を受けて?今後の4つの課題(集団的自衛権問題研究会)

【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第38号】
(2015年9月20日)       [転送・転載歓迎]

9月19日未明、違憲の法案が強行採決の連発の末に「成立」しました。集
団的自衛権問題研究会では、川崎哲代表による以下の声明を公表しました。
ぜひご一読ください。また、特別委員会での強行採決を受けての声明も発
表していますので、合わせてご参照ください。

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http://www.sjmk.org/?page_id=445

安保法案「成立」を受けて− 今後の4つの課題

2015年9月19日
川崎哲(集団的自衛権問題研究会代表)

 本日未明、参議院本会議で安保法案が「成立」した。国会前に集まる人々の声、
全国に広がるデモや世論調査で示された国民の反対、野党の申し入れなどすべて
を無視した強行的な手法によるものであった。この法制は、その内容のみならず、
それを成立させようとする政治過程じたいが戦後日本の平和主義と民主主義を根
底から揺るがしている。そのことを本研究会はもとより、多くの学者、有識者、
ジャーナリストたちが警告し続けてきた。

 それにもかかわらず、法案「成立」という事態を迎えた。今後、日本の国民と
政策立案者が共に向き合わなければならない課題を4つ掲げたい。

 第一の課題は、この「法案成立」の有効性を問うことである。この法案は憲法
違反であることが多くの学者によって指摘されてきた。また、強行採決が無効だ
との法律家の指摘もある。今後「違憲訴訟」が提起されるべきである。裁判所で
の徹底的な違憲審査を通じて、傷つけられた日本の立憲主義を回復していく必要
がある。

 第二の課題は、安倍政権の政治責任を問うことである。40年以上にわたって
歴代内閣が維持してきた憲法解釈を一内閣の閣議決定によって大転換し、反対論
を押し切って法案を一気に強行採決した安倍政権に対して、国民自身が審判を下
す必要がある。来年夏の参議院選挙は、この問題を争点とするものでなければな
らない。

 第三の課題は、この法制の施行と運用をめぐる問題である。この法制は、自衛
隊が米軍等と共に海外で武力行使することを可能とするものである。しかしそれ
がどう実施されるかは、政府の運用しだいであるばかりでなく、国民の監視と国
会の関与によって大きく左右される。

 この課題はさらに、二つの次元に分かれる。一つは、集団的自衛権の行使とし
て自衛隊が出動し武力行使をするというシナリオである。これについては「我が
国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆され
る明白な危険がある事態」に限るとされ、さらに、「他国を防衛するための武力
の行使それ自体を認めるものではない」ともされた。とすると、個別的自衛権の
発動以外にいかなる状況でそのようなことが可能なのかは甚だ疑問である。政府
はこの点を明確にできていない。引き続き追及が必要だ。

 もう一つは、いわゆる「平時」における自衛隊の活動の拡大に関してである。
安保法制は、さまざまな事態で自衛隊がこれまでよりも格段に前面に出ることを
可能にした。そのことで「戦争を未然に防ぐ」ことができるというのが、推進側
の主張だ。しかし、中国、北朝鮮、国際テロなどいずれの問題をとっても、日本
で法制度が変わったからといってこれらの脅威が減るわけもない。問題は、日本
が実際にどのように行動するかである。その行動いかんで、脅威はむしろ高まる
こともあるし、衝突や戦闘の危険性を生むことさえあるのだ。

 尖閣諸島では、自衛隊の行動が迅速化される。南シナ海では、自衛隊と米軍の
共同警戒活動が計画され、そこでは自衛隊による平時の米艦防護が可能とされる。
さらには、自衛隊が紛争地で任務遂行のために武器を使用することが可能となり、
その使用基準が策定されていく。これらの運用を一歩間違えば、自衛隊の行動自
体が引き金を引いて、取り返しのつかない事態となる。たとえ戦争と宣言されな
い状態でも、事実上の戦死者は生まれる。その危機感をもって、今後の政府の行
動を監視しなければならない。

 憲法9条は、非軍事的な問題解決を国の基本原則と宣言している。戦争防止の
基本は、外交と平和的解決である。そのことは何度強調しても強調しすぎること
はない。

 最後に第四の課題は、明文改憲問題である。安保法案に対する批判の中には、
憲法を変えずに解釈変更で進めるその手法に対するものが強かった。ならば今後
は、自衛隊が海外で活動できるようになったのだから、実態に合わせて憲法を変
えようという「なし崩し」的改憲論が浮上する可能性がある。元来、安倍自民党
は憲法改正を重要課題として強く掲げてきた。政権が明文改憲への歩みを加速さ
せることは十分に予想される。

 いずれの課題に関しても、議論と意思決定の主体は、政権や国会の枠内でおさ
まるものではない。主権は国民にある。国会前そして全国に広がったデモの波は、
日本の民主主義の積極的な可能性を示している。その動きは、世界的にも注目さ
れている。21世紀の日本の行方を左右するこれら重要課題に関して、国民的な
議論と参加型民主主義の発展が求められている。

(以上)

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http://www.sjmk.org/?page_id=429

−参院委員会強行採決−
民主主義を破壊し、日本の平和を脅かす暴挙

2015年9月17日
川崎哲(集団的自衛権問題研究会代表)

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◆国会審議ダイジェストのバックナンバーはこちらから
http://www.sjmk.org/?page_id=11

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発行:集団的自衛権問題研究会
代表・発行人:川崎哲
News&Review特別版 編集長:杉原浩司
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ツイッター https://twitter.com/shumonken/

◇『世界』8月号に当研究会の論考が掲載されています。
http://www.sjmk.org/?p=300

◇『世界』7月号、6月号にも論考が掲載されました。
http://www.sjmk.org/?p=194
http://www.sjmk.org/?p=118
posted by だつげんぱつ at 15:21| 脱原発情報[情報]

2015年09月18日

【緊急拡散お願い】「違憲立法作らせ9(ナイン)」に戦争法案廃案の声を届けよう!

【「違憲立法作らせ9(ナイン)」に戦争法案廃案の声を届けよう!】

東京の杉原浩司です。[転送・転載歓迎]

9月17日午後、本来行うべき締め括り総括質疑をすっ飛ばし、今まで見た
ことのない「採決もどき」が強行されました。鴻池委員長は与党の1年生議
員が築いた「人間かまくら」(有田芳生議員)の中に埋もれました。人の
山と怒号でわけのわからない中、安倍首相や中谷大臣は、そそくさと逃げ
出すように退場。与党議員が何回か起立し、「強行採決もどき」が上演さ
れました。報道によれば何と5回もの「採決」がなされたことになったそ
うです。もちろん議事録に残せるはずもありません。これが「採決」であ
るわけがありません。

しかも、中継していたNHKは、すぐに「何らかの採決が行われた模様」「かな
り短時間で採決が行われたと思います」などとひたすら追認コメント。そ
してあっという間に、「安保法案 参院特別委で可決」との大見出しを打
ちました。事実関係を確認しないまま、あるいは確認した「事実」を説明
しないまま、デタラメな「採決もどき」を既成事実化したのです。

しかも、すぐに佐藤正久筆頭理事(自民)へのインタビューを行い、可決
を前提とする質問を繰り返しました。当然ながら、続いてインタビューさ
れた福山哲郎理事(民主)は、「可決はされてません。委員長が何を言っ
たか全くわからない、あんな暴力的なものが採決と認められるなら、日本
の民主主義はどうなるのか!」と強く抗議しました。

20時10分に始まった参議院本会議は、既に中川雅治議運委員長の解任決議
案を否決しました。今後、野党は参議院で中谷大臣、岸田大臣、安倍首相
らの問責決議案、山崎正昭参議院議長の不信任案などを、さらには衆議院
で内閣不信任案を提出する見込みです。それに対して与党は、演説時間を
10分以内に制限する動議を出そうとしています。

予断を許しませんが、戦争法案の採決は18日(金)の午後から夕方になる
と言われています。本当にぎりぎりの局面ですが、今夜から明日にかけて、
声を届けるべき9人のキーパーソン「違憲立法作らせ9(ナイン)」に、
一つでも多くの声を届けてください。短いものでも構いません。

与党に対しては強い抗議を、民主党に対しては「あらゆる手段」を駆使す
るように。また、戦争法案を成立させる参議院本会議開会のベルを鳴らす
ことになる山崎正昭参議院議長にも、開会しないように要請してください。
なお、自民党議員には必ず党役職事務所と国会事務所の両方に送ってくだ
さい。

時間がありませんが、大至急広めていただくように、そして自らも必ず要
請していただくようにお願いします(今回はファックスと電話に絞りました)。

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<違憲立法作らせ9(ナイン)>

【三権の長として、違憲の法案を採決するベルを鳴らさないでください!】

◆山崎正昭・参議院議長(福井/改選)
国会事務所
(FAX)03−6551−1201 (TEL)03−6550−1201

【抗議を!】

◆溝手顕正・自民党参議院議員会長(広島)
参議院議員会長室
(FAX)03−3580−1114
国会事務所
(FAX)03−6551−0028 (TEL)03−6550−0819

◆伊達忠一・自民党参議院幹事長(北海道)
参議院幹事長室
(FAX)03−3508−8772
国会事務所
(FAX)03−5156−8070 (TEL)03−6550−0612 

◆吉田博美・自民党参議院国対委員長(長野)
参議院国対委員長室
(FAX)03−3580−7774
国会事務所
(FAX)03−6551−0610 (TEL)03−6550−0610
(地元FAX)0265−36−6735 

◆魚住裕一郎・公明党参議院議員会長(比例)
国会事務所
(FAX)03−6551−0326 (TEL)03−6550−0326

◆西田実仁・公明党参議院幹事長(埼玉/改選)
国会事務所
(FAX)03−6551−1005 (TEL)03−6550−1005

【あらゆる手段で抵抗を(牛歩、長時間演説など)】

◆岡田克也・民主党代表(三重)
国会事務所
(FAX)03−3502−5047 (TEL)03−3508−7109

◆枝野幸男・民主党幹事長(埼玉)
国会事務所
(FAX)03−3591−2249 (TEL)03−3508−7448

◆榛葉賀津也・民主党参議院国対委員長(静岡)
国会事務所
(FAX)03−6551−0026 (TEL)03−6550−1011

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◆自民、公明の地元議員にもぜひ働きかけてください。「賛成するなら
次の選挙では支持しません」と強調してください。

全参議院議員名簿 http://sogakari.com/?p=594

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【番外編】

<何が何だかわからない、議事録に残せない「強行採決もどき」を早々
に「可決」と追認したNHKに猛抗議を!>
◆NHK
(TEL)0570−066−066(受付は9時〜22時まで)
(メールフォーム) https://cgi2.nhk.or.jp/css/mailform/mail_form.cgi
(FAX)03−5453−4000
※電話がつながらない場合はメールやFAXで。

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★本日18日は朝9時から国会正門前で座り込み・集会が、夕方18時30分から
は大集会が行われます。駆けつけましょう!

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 杉原浩司

 携帯 090-6185-4407
 E-mail kojis@agate.plala.or.jp
 FAX 03-6312-0640
 ブログ http://kosugihara.exblog.jp/
 ツイッター https://twitter.com/kojiskojis
 フェイスブック https://www.facebook.com/koji.sugihara.10
posted by だつげんぱつ at 00:37| 脱原発情報[情報]

2015年09月16日

集団的自衛権問題研究会 News&Review 特別版 第37号(中央公聴会録)

【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第37号】
(2015年9月15日)       [転送・転載歓迎]

9月15日に行われた参議院特別委員会の中央公聴会のダイジェストをお送
りします。ぜひご一読、ご活用ください。野党側公述人のそれぞれの持ち
味を生かした意見には説得力がありました。

報道された通り、政府与党は野党の反対を押し切って、鴻池委員長の職権
による締め括り総括質疑の本日16日(水)18時〜20時までの開催を決定し
ました。終了後に強行採決に持ち込むと見られます。本日13時〜15時30分
まで新横浜プリンスホテルで行われる地方公聴会終了後に国会に引き返し
て、そのまま強行採決までやってしまおうというのです。

中央公聴会も地方公聴会もまさに形だけ。指摘された法案の不備を何ら修
正することもなく、ただひたすら成立に向け突き進むことは到底許されません。

横浜へ、国会へ。立憲主義と民主主義と平和主義を破壊する権力の暴走に
はっきりと「NO!」の声をぶつけましょう。

参院特別委 あす安保法案の締めくくり総括質疑(9月15日、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150915/k10010236011000.html

【動画】安保法案で中央公聴会、与野党推薦の公述人が意見
(9月15日、TBS Newsi)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2588786.html

安保法案 中央公聴会で公述人が賛否の意見(9月15日、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150915/k10010235751000.html

【動画】安保法案 「SEALDs」奥田愛基さんらが中央公聴会に(9月15日、FNN)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00303116.html

【安保法案】SEALDs・奥田愛基さん中央公聴会に
「路上に出た人々が社会の空気を変えた」(全文)(The Huffington Post)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/15/sealds-okuda-aki-speech_n_8138032.html

【意見陳述全文掲載】
「今日は、国会前の巨大な群像の中の一人として、ここにきています」
SEALDs奥田愛基さんが参院で堂々意見陳述「安保法案」に反対を表明!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/264668

【動画】[9/16強行採決]9/15奥田愛基SEALDs公聴会(全16分)
https://www.youtube.com/watch?v=5dsMhkj6eHk

【写真特集】安保関連法案:国会前で連日の「強行採決絶対反対」デモ
(9月15日、毎日)
http://mainichi.jp/graph/2015/09/16/20150916k0000m040130000c/018.html

「強行採決、絶対反対」 安保法案に連日、抗議の声(9月16日、朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASH9H6CY3H9HUTIL05Y.html

【資料】参議院安保法制特別委員会(計45人)メンバーの要請先一覧
http://www.sjmk.org/?page_id=349
※FAX、電話での要請にお役立てください!

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【9月16日(水)参議院安保法制特別委員会 地方公聴会】

※新横浜プリンスホテル(アクセス)
http://www.princehotels.co.jp/shinyokohama/access/

<意見陳述(各10分)>
13:00〜13:10 伊藤俊幸(前海上自衛隊呉地方総監・海将)
13:10〜13:20 広渡清吾(専修大学教授、元東大副学長、前日本学術会議会長)
13:20〜13:30 渡部恒雄(東京財団上席研究員)
13:30〜13:40 水上貴央(弁護士)

<質疑(各10分)>
13:40〜13:50 堀井巌(自民)
13:50〜14:00 那谷屋正義(民主)
14:00〜14:10 平木大作(公明)
14:10〜14:20 清水貴之(維新)
14:20〜14:30 井上哲士(共産)
14:30〜14:40 山田太郎(元気)
14:40〜14:50 和田政宗(次代)
14:50〜15:00 水野賢一(無ク)
15:00〜15:10 福島みずほ(社民)
15:10〜15:20 山本太郎(生活)
15:20〜15:30 荒井広幸(改革)

◆インターネット中継

IWJチャンネル4 http://bit.ly/1gNf5hT

OurPlanet-TV http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1978

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【9月15日(火)参議院安保法制特別委員会 中央公聴会ダイジェスト】

ネット中継アーカイブ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
※カレンダーの日付(15日)をクリックしてご覧ください。

◆坂元一哉(大阪大学大学院教授)
「安保法案は我が国の安全のための抑止力を格段に強化し、世界平和によ
り良く貢献する考えられた法案だ。安保環境が厳しさを増す中、どうして
も必要だ。国家国民を守る観点だけでなく、憲法を守る観点からも必要。
国家国民を守れないと憲法も守れない。憲法を守ることなくしっかりした
安保体制は作れない」

◆坂元一哉
「中国の軍事力強化は問題だ。海を隔てた核保有の隣国が「この島は俺の
ものだから返せ」と言っている容易ならざる状況だ。この法案で中国の軍
事力に脅かされず、隣国と互恵的に暮らせる」「ある法律が憲法違反か判
断するのは最高裁の仕事だ。政府が違憲判決は下されないと判断したのは
当然だ」

◆坂元一哉
「自衛のための措置は他衛を含むからといって「一見極めて明白に違憲無
効」との判断は考えにくい。憲法前文に「自国のことのみに専念して他国
を無視してはならない」などとあり、私は他衛の武力行使も国際的に合法
で必要最小限なら可能と考えたが、法案はさらに違憲可能性は低い」

◆坂元一哉
「国民は戦前の反省から海外派兵したくないと思っている。政府は集団的
自衛権の行使を限定的に認めても、海外派兵の一般的禁止を維持している。
総理も「北朝鮮や韓国で集団的自衛権を行使して戦闘参加はできない」と
答弁した。参議院での全会一致の海外出動禁止決議を踏まえている」

◆濱田邦夫(元最高裁判事)
「法案は憲法9条の範囲内ではない。最高裁が法律を違憲と判断する事例
が少ないのは、「今はなき」と言うと大げさだが、内閣法制局が政府提案
の合憲性を審査してきたからだ。伝統ある法制局による合憲性のチェック
がほとんどなされておらず、将来の司法判断に任されてしまう」

◆濱田邦夫
「現役裁判官に影響を及ぼすことはOBとしてやるべきでないと思うが、最
近、危機感を感じて発言している。日本の民主主義の基盤が壊される。言
論、報道、学問の自由が脅かされる。大学人がこれだけ立ち上がっている
のは、日本の知的活動への重大な脅威を感じているから」

◆濱田邦夫
「砂川判決と昭和47年見解は、山口繁元最高裁長官が明解に述べた通り、
自衛隊が問われた判決ではないのに、それを理由とするのは非常に問題だ。
防衛庁も当時「自衛行動の範囲について」との見解を出していた。外国に
よる武力行使の対象が我が国であるのは当然だ。強引に外国による武力行
使が日本に対するもの以外も含まれるとするのは、字義を操る「法匪」の
悪しき例だ」

◆濱田邦夫
「近隣諸国の日本叩きは国内事情の側面が強い。それに乗っかった海外派
兵や軍備強化は、近隣国の口実となり、挑発や軍備強化の悪循環に陥る。
70年で培った平和国家としての技術・経済力、調整能力を守ることがよほ
ど重要だ。海外の人道平和目的で活動している人のみならず一般企業にも
マイナスだ。得になることはない」

◆濱田邦夫
「政治家には2種類ある。目の前の利益のみを重視する「ポリティシャン」
と国家百年の計、孫子の代まで考える「ステーツマン」だ。ステーツマン
としての判断をしてほしい。国際的には論理的整合性が問題にされ得る。
政治家は知性、品性、理性の尊重を。少なくともそれがあるような見せか
けだけでもやってほしい。悔いを末代に残すことのないように」

◆白石隆(政策研究大学院学長)
「8月上旬に国際政治・国際法学者で「安保法制を考える有志の会」を作
り要望書を提出した。憲法問題に加え以下を提起した。1)抑止力をどう
考えるか 2)日米安保体制における役割分担 3)台頭する中国への対応
4)使える核を持ちつつある北朝鮮の脅威への対応 5)シーレーンの安全
確保 6)アジア、世界の平和と安定 だ。憲法論、法律論だけで議論する
と肝心の安全保障の議論がお留守になる」

◆白石隆
「なぜ安保法制の整備か? 1)力のバランスの変化。中国の経済拡大。
2018年には中国経済は日韓アセアンを足したよりも大きくなる 2)安保空
間の拡大と軍事技術の革命。サイバー化と無人化が進み、ネットワーク中
心の統合システムが重要に。相互運用性が向上し、個別的、集団的自衛権
の区別は無意味になっている。3)感染症、麻薬など非伝統的な安保の拡
大。破綻国家はもはや無縁でない 」

◆小林節(慶応大学名誉教授)
「当たり前の話が国会の多数派により無視され続けている。法案が通ると
海外派兵ができ、不戦から戦争状態に。「戦争法案」以外の何物でもない。
それに目くじらを立てて怒るのは気持ち悪い。「一見明白に違憲無効」な
法律が多数決で強行されつつある。合憲違憲論争は飽きた。これ以上語ら
ないというスタンスになりつつある」

◆小林節
「総理や国会が明々白々に違憲なものを平然と押し通す。憲法は主権者国
民が権力担当者に課した制約。権力担当者は「雇われマダム」に過ぎない。
政治家が憲法を無視するのは独裁政治の始まり。北朝鮮と同じだ。「憲法
論だけ語るな、安保を忘れるな」というが、憲法を吹っ飛ばしている。裏
口入学よりひどく、閉じられた門を蹴破り入るものだ」

◆小林節
「アメリカは戦費破産国で肩代りを日本に求めている。なぜ危険を犯して
破産国家を助けるのか。経済界の賛成は軍事の下請けで儲かるからと邪推
してしまう。今後の選挙で国民が賢い判断をする。私はそれまで鳴き止ま
ないつもりだ。日本は不戦の大国、平和の調整役に」

◆松井芳郎(名古屋大学名誉教授)
「集団的自衛権の考え方の原型の一つが、海外利益を守るための戦争を主
張した英国だ。また、中南米の権益を主張した米国のモンロー主義もそう
だ。実は日本も満州国という教科書的な傀儡国家を作り同様の主張をした。
集団的自衛権は帝国主義的権益を守るために考え出された概念だ。今日本
がその方向に行くのは危険だ」

◆松井芳郎
「国連憲章51条の自衛権は基本的権利の印象を与えがちだがそうではない。
慣習法上の権利を確認しただけだ。海峡の機雷封鎖は武力の威嚇だが武力
攻撃ではなく、自衛権は行使できない。また、邦人が乗る米艦の例が語ら
れるが、軍艦は合法的軍事目標であり民間人の退避は考えられない」

◆松井芳郎
「正規の国連軍はできていない。多国籍軍への協力はしばしば「国連協力」
と見られるが、安保理の統制は及ばず、個々の参加国への協力に過ぎない。
「後方支援」の場所的区別は意味がなく、軍事目標かどうかが問題だ。補
給は軍事目標とみなされ、反撃される」

◆松井芳郎
「安保条約は米国が日本の領域外で攻撃を受けても日本は支援できない。
法案によりそれが可能になる。また、一方的に守ってもらう代償として基
地を提供していると説明してきたが、集団的自衛権を認めるとそれが成立
しなくなる。事実上の安保改定を国会承認なく行うものだ」

◆奥田愛基(SEALDs)
「先ほどから寝ている方が多いが聞いてほしい。僕も眠れていないので帰
って寝る。SEALDsは10人ほどから始まった。10万人を超える人が国会前に
集まった。全国2千ヶ所以上で数千回の抗議、累計130万人以上が路上で抗
議した。その他にも集会や行動が。全国で人々が立ち上がっている」

◆奥田愛基
「政治的無関心と言われた若い世代が、いわゆる動員的発想でなく主体的
に個人として立ち上がった。「騒ぎたいだけ」「若気の至り」「一般市民
のくせに」などと批判されたが、なぜ声をあげるかと言えば「不断の努力」
なくして憲法や民主主義は機能しないと自覚しているからだ」

◆奥田愛基
「私たちこそこの国の主権者であり、声をあげるのは当たり前。今やデモ
は珍しいものではないと空気を変えた。一人ひとりが思考し、何が正しい
かを判断し、声をあげることこそ民主主義。先日、予科練で特攻隊通信兵
だった方に会った。今の私たちの年齢で戦争を経験された。安保法制への
強い危惧を受け止めたい」

◆奥田愛基
「不安や反対の中での採決は戦争体験者の思いを軽んじ、70年の不戦の誓
いを裏切るものだ。先の大戦で犠牲になった人々の思いをつなげたい。そ
うした思いを持つ国会前の巨大な群像の一人として国会に来ている。政府
が説明した結果、支持率は落ち反対世論が盛り上がった。総選挙はアベノ
ミクスが争点ではなかった。国会答弁がきちんとできない法案を作るなど
聞かされてはいない」

◆奥田愛基
「政府は法的安定性の説明を途中で放棄してしまったようだ。翌日に前日
と全く違う答弁を行い、何度も速記が止まる。どうやって国民は納得すれ
ばいいのか。国民的世論はSEALDsが作り出したのではない。この状況を作
っているのは紛れもなく与党の皆さんだ。答弁や首相の理解しがたい例え
話を見て声をあげている」

◆奥田愛基
「金沢の主婦が文字起こしした国会答弁が1万人にシェアされた。なぜな
ら不安だったからだ。なぜ夏までに通さなければならないのか、なぜ11本
の法案を2本にしたのか、全く納得いかない。9月末まで会期を延ばしても
国民の理解は得られなかった。結論は出た。今国会の可決は無理だ。廃案
にするしかない」

◆奥田愛基
「相対的貧困が5人に1人の超格差社会。経済成長も期待できない。政治に
絶望してしまうような議会運営はやめてほしい。政治生命を賭けるという
が、国民一人ひとりの生命と比べてはいけない。「義を見てせざるは勇な
きなり」。冷静に把握して今国会での成立を断念することはできないのか。
自由と民主主義、この国の未来のために考え直してほしい」

◆奥田愛基
「参考にしてほしいことがある。強行採決されれば各地で声が上がり、連
日国会前は溢れかえる。次の選挙にも影響を与える。野党は本当にできる
ことを全てやったのか。新しい時代は始まっている。もう止まらない。声
をあげるのは日常の一部になった。政治のことを考えるのはこの国に生き
る個人の不断の努力だと、困難な4ヶ月で実感できたのが私の希望だ」

◆奥田愛基
「どうか政治家も個人でいてほしい。たった一人の個で。一人ひとりの正
しさに向かい勇気を出して判断をしてほしい。政治家とはどうあるべきか
考え、民の声を聞いてほしい。勇気を振り絞り、あなたにしかできない尊
い行動を。日本国憲法はそれを保障し、私はそれを支持する。困難な時代
にこそ希望がある。私は自由で民主的な社会を望み安保法案に反対します」

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<特別版 第34号(9月9日の参院一般質疑録はこちら>
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<特別版 第33号(9月8日の参院参考人質疑録はこちら>
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<特別版 第32号(9月4日の参院一般質疑録はこちら>
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発行:集団的自衛権問題研究会
代表・発行人:川崎哲
News&Review特別版 編集長:杉原浩司
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◇『世界』8月号に当研究会の論考が掲載されています。
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◇『世界』7月号、6月号にも論考が掲載されました。
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posted by だつげんぱつ at 02:56| 脱原発情報[情報]