2014年05月02日

【報告】4月30日の政府交渉/火山評価・汚染水問題・防災避難計画について

杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党・脱原発担当)です。
[転送・転載歓迎]

4月30日に参議院議員会館で行われた「川内原発の再稼働審査・汚染水
問題に関する政府交渉」について、阪上武さん(福島老朽原発を考える
会)の報告を転送します。火山影響評価、避難計画、汚染水問題と重要
テーマの三本立てでした。

重要な内容ですので、ぜひご一読ください。

---------------------------------------

みなさまへ

昨日(注:30日)は政府交渉お疲れさまでした。

◆火山影響評価について

参議院議員会館で参加者は70名ほど。鹿児島、佐賀、福岡、関西、首
都圏他から参加がありました。テーマは、川内原発の火山影響評価、汚
染水問題、原子力防災・避難計画の3つですが、そのうち、火山影響評
価について簡単にご報告いたします。

川内原発の火山影響評価については、審査の過程で火山学者が全く関与
しておらず、火山学者から懸念の声が上がっている中、こちらからは、
有識者会合を開催しその間は審査を止めるべきではないかという旨の事
前質問を出していました。

折しも、交渉の前日の毎日新聞に、規制庁は、再稼働後に有識者会合を
開催する方針だとの記事が流れました。交渉は、再稼働後ではおかしい
ではないかという点に集中しました。

規制庁は、地震・津波担当の牧野氏が対応しました。牧野氏の回答は、
「外部有識者に意見を聴くというのは、今後行われるモニタリングの結
果に関しまして、事業者の評価が適切かどうかを判断するの際の規制側
の考え方を整理するためでございまして、許認可時に求めるものではご
ざいません。」というものでした。

しかしこれは、前回4月23日の規制委適合性審査会合で、島崎委員長
代理の発言とは異なります。島崎氏は、「火山学者の、専門家の方を集
めていただいて、議論をする。それを九州電力さんが、設定してやると
いうのは非常にいいことだと思いますが、私どもとしましても、ある段
階で、しかるべき検討が必要であることは自覚しております。判断基準
はあらかじめもっておくということは非常に重要で、それは大切だと思
いますけれど、やはり決める場合にはもう少し慎重な検討が必要だと思
います。」と述べていました。ここで判断基準と言っているのは、火山
活動の兆候を把握した場合の対処を講じるための判断条件のことです。

交渉はまず、破局的噴火について、兆候を把握した場合の対処のための
判断基準が現時点でないことを確認し、新規制基準火山審査ガイドに、
兆候を確認した場合の対処方針を定めることが要求されていることを確
認した上で、この判断基準が定められないうちに再稼働を許すのは、火
山審査ガイドに違反しているのではないかと問い質しました。牧野氏は、
詳細な判断基準は必要ない、有識者会合は適合性審査とは別だ、などと
繰り返すだけでした。

破局的噴火の兆候の把握については、そもそも核燃料の避難が間に合う
ようなタイミングで把握することそのものが可能かどうかも不明確であ
り、島崎氏の適合性審査会合でもまさにそこが問題になっています。

大飯原発の断層問題では、有識者会合を開き、その間は再稼働の申請を
受け付けませんでした。これに比べても明らかに対応が異なります。法
的にも問題がある対応です。有識者会合の開催とその間の審査の中断に
ついては、今後も直接の抗議、要請、議員へのはたらきかけ、署名など
で要求していきましょう。

◆汚染水問題について

こちらが問題にしたのは、各地の原発の再稼働審査における重大事故対
策の中に、福島第一原発でいま問題になっているような汚染水事故を防
止するような対策が含まれていない問題と、現在福島第一原発で問題と
なっている地下水バイパスの問題でした。

重大事故対策については、規制庁PWR担当の布田氏が、汚染水対策とし
て九電が対策を示しているのは、ガス状の放射能を放水砲で叩き落とし
た際に出てくる汚染水をシルトフェンスで防ぐというものだけであるこ
と、九電は、格納容器の健全性は保たれると主張していること、そして、
福島第一原発事故で発生しているような汚染水事故の対策については、
審査で検討もしておらず、新規制基準でも要求していないと回答しまし
た。

福島事故を踏まえて新規制基準が定められ、審査が行われているはずで
すが、それが守られていないことが明確になりました。

地下水バイパスについては、汚染が昨年8月のタンク漏れに起因する可
能性について問題提起をし、計画を中止するよう求めました。対応した
エネ庁の柴田氏は、関係は不明、今後も注視すると回答しました。

◆原子力防災・避難計画

規制庁の防災担当者は、交渉ははじめてとのことでしたが、それにして
も答えられずに窮する場面が多すぎでした。

交渉で特に問題になったのが、避難途中で放射線計測と除染を行うスク
リーニングでした。

規制庁の担当者は、スクリーニングの対処方針については、4月に行わ
れた道府県との連絡会で、自治体側の意向を受けて改定されたとの説明
から入りました。よく聞くとその資料は非公開だとのこと。即座に公開
するように求めました。

スクリーニングの場所については、改定により、30キロ圏の近傍1〜2
キロの地点とされたことが明らかになりました。しかし現実には、何百
台もの車が押し寄せる場所の確保が問題です。

川内原発で鹿児島県が昨年実施した避難訓練では、40キロ先の姶良市の
高校が避難先で、その避難先でスクリーニングが行われました。このや
りかたではスクリーニングの対処方針に反することになります。

また、スクリーニングでは、時間を短くするとの理由で、車を測って人
を測ったことにしたり、人を測る場合も代表者だけで済ませてしまおう
としています。これは、避難者の安全確保という点でも、避難先への汚
染拡大防止という点でも問題があります。

代表者をどうやって選ぶのかも問題ですが、4月の道府県連絡会で、自
治体側から反発があったようで、地域の実情に合わせて行うことをさま
たげないという文言が入ったとのことでした。事実上代表を任命するや
り方はやめにした反面、地域の実情にという形で、責任を自治体に押し
つける問題も出てきました。

交渉には、佐賀から、そして玄海原発の避難元となる伊万里市の市議さ
ん、そして一部が避難元、一部が避難先になる福岡市の市議さんが参加
され、避難先にほぼ同じ人口が避難してくることになっている過密避難
の問題(しかもそれが避難先に伝えられていない!)や風下へ避難する
ことになっている件など、具体的な問題が示されました。

規制庁は、国は援助をするだけで、所掌ではない、計画を立てるのは自
治体だと逃げ回っていました。では一体避難計画の実行性を誰が検証す
るのか。問い質しましたが回答はありませんでした。

引き続き情報を整理し、連絡をとりあいながら、避難の非現実性をリア
ルに明らかにしていきましょう。

阪上 武
posted by だつげんぱつ at 02:10| 脱原発情報[情報]